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ヘナタトゥーの特徴とトラブル

数週間で消えることから、バリ島やインド旅行の思い出として体験する人が増えているヘナタトゥー。ヘナとはどんなものなのでしょうか。その特徴と歴史、ヘナタトゥーによるトラブル事例を紹介します。

魔除けや幸せを願うヘナタトゥー

タトゥーを入れたいけれども、なかなか踏み切れない。そんな思いを持っている若者に、気軽にタトゥーを体験出来る存在として人気なのが、2〜3週間で消えるヘナタトゥーです。インドやバリ島に旅行で訪れた際、旅の思い出としてヘナタトゥーを入れる人は少なくありません。

ヘナとは、ミソハギ科に属する植物で、日本名では指甲花という名前がついています。ヘナ色素は、ヘナの葉を乾燥し粉にして用い、主にモロッコやエジプトなどの北アフリカ、インド、パキスタン、西南アジアなどで産出されています。

人間とヘナの関わりは古く、5000年以上も前から、健康、身体装飾、化粧、悪霊よけなどの目的で使われてきました。特にイスラムやヒンズー教の人の間で利用され、インドではメンディ(Mehndi)と呼ばれ、結婚の際に花嫁の手足を飾る装飾として親しまれています。結婚式の前には、「Night of the Henna-Mehndi Rat」と呼ばれる儀式があり、家族や親戚、友人の女性たちが花嫁の手と足に縁起の良いレースの模様をびっしりと描いていきます。結婚後、花嫁はメンディが消えるまで家事をしないそうです。メンディの色が濃く、長持ちするほどカップルの愛が長続きし、家が繁栄すると信じられています。

また、モロッコでは妊娠7か月目の妊婦が「Hannayas」というメンディの儀式を行い、出産のときに母体と赤ちゃんを守るための模様を足首に描くそうです。

その他、インドの伝統的医学アーユルヴェーダの薬として使われることもあり、クレオパトラは自分の爪をヘナで染めていたという言い伝えもあります。

ヘナタトゥーによる皮膚炎トラブル

ヘナ色素はオレンジや赤が基調で、その色調は木の亜種によって異なります。一般的なヘナタトゥーのイメージとして黒を思い浮かべる人も多いと思います。この色は、ヘナになんらかの物質を混ぜることで生まれます。主に混ぜるのは、タンニンを含んだ茶葉、インスタントコーヒー、炭粉、髪染めに用いられるp-フェニレンジアミン(PPD)などで、これらを入れて黒くなったヘナは、ブラック・ヘナと呼ばれています。

ヘナ自体はあまり皮膚にかぶれを起こしませんが、この添加された物質によるアレルギー性接触皮膚炎が最近増えています。

p-フェニレンジアミンが入った染毛剤やヘナタトゥーによる接触皮膚炎は、一旦感作されてアレルギーになり、それを知らずに使用し続けると次第に激しい皮膚炎を起こすこともあります。ひどい場合には、アナフィラキシーショックを発症したり、接触皮膚炎症候群と呼ばれる全身性のアレルギー症状を起こしたりする可能性もあります。p-フェニレンジアミンによるアレルギーは近年増加しており、アレルゲンの陽性率でもニッケル、ウルシオールに次ぎ、第3位に位置しています。

症状は、まずヘナタトゥーを入れた部分が赤く腫れ上がり、触るとさらにかゆみが増していき、湿疹、かぶれがみられます。ひどくなると、真皮の浮腫(むくみ)が出てきて、じくじくとした浸出液がでたり、全身に湿疹が拡大したりすることもあります。

一般的な治療方法は、ステロイド外用剤です。ただ、ステロイドでヘナタトゥーによる皮膚炎が治っても、数ヶ月後に髪を染めるために染毛剤を使ったところ、同じ皮膚炎を再発するケースもあります。なぜこんなことが起こるのでしょうか。基本的にブラック・ヘナの成分は皮膚の角層と反応してタトゥーとなりますが、ヘナもp-フェニレンジアミンも皮膚には普通残りません。しかし、最初に皮膚炎を起こした際、ヘナ成分が皮膚に侵入し、残留してしまうと、p-フェニレンジアミンに反応する準備状態(これを感作されたという)になってしまうことがあります。感作されると、見た目にはヘナタトゥーやかぶれが消えていても、p-フェニレンジアミンに再度触れてしまうことで、皮膚炎が再発します。

p-フェニレンジアミンは近縁の構造式を持ったPAPやPTDなどの物質と交叉反応を起こすことがあります。殺菌剤として多くの化粧品にしようされているパラオキシ安息香酸や、UVBをカットする強力な紫外線吸収剤のパラアミノ安息香酸とも交叉反応を起こす可能性があり、感作された人はこれらを避ける必要があります。洋服皮製品、靴などに用いられるアゾ色素、化粧品色素赤色225号、染み抜きの薬ハイドロキノンとの交叉反応も指摘されています。

こうした皮膚炎を起こさないためには、パッチテストでアレルギーの有無を確認することが重要です。一般社団法人日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会のホームページでは、パッチテストが可能な施設の一覧を掲載しています。

アレルギーは、突然発症するものです。「これまでかぶれなかったから大丈夫」と過信するのではなく、ヘナタトゥーを入れても大丈夫か、事前にきちんと調べておくことが大切と言えます。

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