HOME » タトゥー除去のHowToコラム » タトゥーアーティストになるのは資格が必要?

タトゥーアーティストになるのは資格が必要?

医師免許がないのに客にタトゥーを入れたとして、タトゥーアーティストが医師法違反の疑いで摘発されるケースが増加しています。タトゥーを彫るには医師の資格が必要なのでしょうか? タトゥーアーティストの資格について取り上げていきます。

増加する彫り師の摘発

医師法では医師以外が医業を行うことを禁止しています。違反した場合、3年以下の懲役か100万円以下の罰金、もしくはその両方が科されます。しかし、タトゥーやイレズミを入れる行為が医業に当たるか否かは、条文上には明記されていないため、はっきりとはしていません。

2001年、針を使って皮膚に色素を入れて、眉を描いたり目元にラインを描いたりする「アートメイク」によるトラブルが増加したことを背景に、厚生労働省は「針先に色素をつけながら、皮膚の表面に墨等の色素を入れる行為」は医師免許を有しない者が業として行えば、医師法違反にあたるとされる、という通知を出しました。通知はアートメイクだけではなく、タトゥーやイレズミも対象としています。

また医師法のほか、暴力団対策法では、指定暴力団員が少年にイレズミを入れることを禁止しています。

2010年7月には、兵庫県警がタトゥーの彫り師で暴力団員の男を医師法違反容疑で逮捕しました。同年9月には広島県警も彫り師を逮捕。2015年2月には熊本県警が、自称彫り師で暴力団幹部の男を逮捕しました。

そして2015年8月には、大阪のアメリカ村の「チョップスティックタトゥー」の代表と彫り師の計5人が逮捕されました。このタトゥースタジオは、衛生管理をしっかりとやってきた店で、危害相談も寄せられたことがない優良なスタジオだったことから、この摘発に対する疑問の声が多く上がりました。また同年11月には、名古屋市西区の「エイト・ボール・タトゥー・スタジオ」の経営者や彫り師の計4人も逮捕されています。大阪で逮捕された男性彫り師の一人は、略式起訴されたものの略式命令で下された罰金30万円を払うことを拒み、「医師免許はタトゥーに必要か」を問うため、正式裁判を行う構えとのことです。彫り師自身がその仕事の社会的な位置づけについて問いかけるこの裁判は、日本の裁判でも初めてのケースであるため、非常に注目されています。

また、今回の逮捕を受けて、タトゥーアーティストとクライアントが安心してタトゥーをクリエイティブできる環境をつくるために、「SAVE TATTOOING IN JAPAN」というタトゥー文化を応援するプロジェクトも発足しました。このプロジェクトでは、タトゥー文化が発展するために、以下のことが必要だと提案しています。

  • スタジオは快適で衛生的、かつ安全な環境であるべきである。
  • タトゥーアーティストは、タトゥーマシーンの正しい操作と技術力、クライアントの要望に応える創造力、世相を反映して変化する顧客への対応力を持つべきである。また、絵のもつ歴史的背景や文化的意味、世界の風俗や風習、宗教観などを学ばなくてはならない。
  • プロのタトゥーアーティストであれば、衛生に関する基礎知識は基本中の基本である。
  • 新たなウイルスの発見や対処法など最先端の情報は、世界のタトゥーコミュニティーと共有しあい、日本でも積極的に取り組むべきである。
  • 必要であれば、タトゥーに特化した専門のプロフェッショナル・ライセンスを設けるなど、衛生環境のルール作りを行っていきたい。

日本にもライセンス制の導入を

彫り師の摘発をするかどうかは、事態の態様によって判断していると言われています。具体的には、健康被害など社会的な反響の大きさを重視しているようです。

ではどんな健康被害が懸念されているのでしょうか。新聞報道によると、大阪府警の捜査幹部が指摘した危険性は、以下のような内容です。

  • 針が真皮や皮下組織に達するので感染症を伴うが、彫り師では対処できない。
  • 器具の使い回しによって、HIVやC型感染などの感染症が蔓延する可能性がある。
  • 店に喫煙場所があったり、ペットがいたりして不衛生。
  • 雑菌が血液に入れば敗血症になる恐れがある。
  • 術後にワセリンを塗る程度では、患部が化膿する。
  • 器具に血液が付着した場合、二次感染が生じる。
  • インクに鉄、銅、バリウムなどの金属が含まれている。
  • インクの影響で肉芽腫病変や金属アレルギーを発症する恐れがある。
  • インクの金属のためにMRI検査を受けられなくなる場合もあり、疾患の発見が遅れる。
  • 皮膚がんを発症したケースもある。

海外の先進国では、タトゥーを彫るのに医師免許までは必要としていませんが、タトゥーに特化したライセンスを設けることによって、衛生面の安全性を確保しています。その上で、タトゥーを入れたい人たちは、技術やセンスを判断基準にして、自由にタトゥーアーティストを選ぶことができます。

摘発の増加を受けて、このままグレーな状態にするのではなく、日本でも海外と同様にタトゥーのライセンス制を導入すべきではないかという声が増えてきています。裁判の結果を含め、タトゥーアーティストのあり方が今後も注目されていきそうです。

タトゥー除去ができるクリニック厳選集
PAGE TOP