HOME » タトゥー除去のHowToコラム » 急成長する観光産業でのタトゥー対応

急成長する観光産業でのタトゥー対応

2020東京五輪を前に訪日外国人観光客が増加する中、観光産業ではタトゥーを持つ人への対応について見直しが少しずつ進められています。ホテルや旅館など観光施設におけるタトゥーへの意識はどのように変わろうとしているのでしょうか。

タトゥーお断りは約56%

観光庁は2015年に「入れ墨(タトゥー)がある方に対する入浴可否」のアンケートを実施しました。対象となったのは全国のホテル、旅館です。約3,800施設に調査表を送付し、約600施設(約15%)から回答がありました。

  • 「入れ墨がある方に対する入浴について」という問いに対し、お断りしている施設は約55.9%、お断りしていない施設は約30.6%、シールで隠すなどの条件つきで許可している施設が約12.9%でした。
  • 「入れ墨がある方の入浴をお断りする経緯について」は、風紀・衛生面により自主的に判断しているが約58.6%、業界・地元事業者での申し合わせが約13.0%、警察・自治体等により要請又は指導が約9.3%でした。
  • 「お断り等の周知方法」は、ポスター・看板等設置が約70.2%、受付時に直接お断りが約14.5%でした。
  • 「入れ墨をした方の入浴に関したトラブルの発生の有無」は、あると答えたのは約18.6%、ないと答えたのは約73.3%でした。
  • 「入れ墨をした方を巡る苦情の有無」は、あると答えたのは約46.2%、ないと答えたのは約51.8%でした。

こうした調査結果を踏まえ、観光庁では入れ墨がある外国人観光客の入浴に関する留意点や対応事例を以下のように取りまとめました。外国人と日本人ではタトゥー・入れ墨に対する考え方に文化的な違いがあるため、すべての人の満足させる一律の基準を設けることは困難です。しかし外国人旅行者と入浴施設の相互の摩擦を避けることは必要で、そのため留意点を記した上で個別の施設に対応改善を促しました。

まず、留意すべきポイントとして、3点挙げられています。

  • 宗教、文化、ファッション等の様々な理由で入れ墨をしている場合があることに留意する。
  • 利用者相互間の理解を深める必要があることに留意する。
  • 入れ墨があることで衛生上の支障が生じるものではないことに留意する。

次に、入浴に関する対応事例として、3つの方法が大きく挙げられています。

1.一定の対応を求める方法

  • シール等で入れ墨部分を覆い、他の入浴者から見えないようにする(衛生的な入浴着等を着用する方法も考えられる)。
  • 入れ墨のサイズが小さく(例えば、手のひらサイズ)、他の入浴者に威圧感を与えない場合は特別な対応を求めない。

2.入浴する時間帯を工夫する方法

  • 家族連れの入浴が少ない時間帯への入浴を促すようにする。

3.貸切風呂等を案内する方法

  • 複数の風呂がある場合、浴場を仕分けてご案内する。
  • 貸切風呂がある施設では、貸切風呂の利用をご案内する。
  • 宿泊施設の場合、専用風呂のある客室等をご案内する。

シールとはタトゥーを隠すカバーシールのことで、最近ではさまざまなカバーシールが販売されています。肌色もピンクオークル、ベージュオークルなど数種類あり、ウォータープルーフ対応など機能によって値段が異なります。

タトゥーがある外国人客との摩擦を避けるために

さらに、観光庁では、日本政府観光局や各旅行会社のホームページ、パンフレット等さまざまなチャンネルを通じて、日本では入れ墨に対する独特なイメージがあることや入れ墨をしている場合は一定の対応が求められることなどを情報発信しています。

日本政府観光局の発表によれば、アメリカでは日本の温泉や公共浴場ではタトゥー(入れ墨)があると入浴できないことは徐々に認識されているものの、タトゥーを入れているアメリカ人は多く、タトゥーに対するアメリカ内での感覚と日本における感覚は大きく乖離しているといいます。また、ネイティブアメリカンなどにおいてはカルチャーとしてタトゥーを入れる習慣があることから、利用を断る場合も誠意が必要としています。

2016年11月に大分県別府市で開かれたシンポジウム「別府ONSENアカデミア」でも、タトゥーのある客への対応について話し合いが持たれました。記念講演では、別府市と姉妹都市であるニュージーランドのロトルア市のスティーブ・チャドウィック市長が登壇し、ニュージーランドの原住民マオリ族にとってタトゥーは暴力団を象徴するようなものではなく、アイデンティティや個人・部族の歴史を示すものであり、伝統文化としてタトゥーを入れていると説明しました。温泉地を持つ各市町村長からは、「行政で運営する施設では、貸切風呂の対応をしている」という報告もありました。

いま日本では、世界一のおもてなしを掲げて、外国人観光客を迎えようとしています。タトゥーは国や地域によって、意味や文化が大きくことなるものです。日本でタトゥーがどのような捉え方をされているかを十分に周知し、柔軟な対応策を示すことが大切になってきています。温泉は日本の伝統文化であり、楽しみにしている外国人観光客も多いはずです。その人たちが楽しく滞在できるようにお互いが配慮することが重要と言えます。

タトゥー除去ができるクリニック厳選集
PAGE TOP