HOME » タトゥー除去のHowToコラム » 伝統文化を色濃く残すトライバルタトゥー

伝統文化を色濃く残すトライバルタトゥー

タトゥーは民族によってはアイデンティティや社会的意味を持つ重要な文化です。特にポリネシア地域などではその伝統が今も残り、その伝統文化を理解することが日本でも求められています。

マオリ女性の入浴拒否が世界的なニュースに

2013年9月、交流団体の招待で北海道を訪れたマオリの女性が、恵庭市内の温泉施設でタトゥーを理由に入浴を拒否されたことがありました。その女性、エラナ・ブレワートンさんは、マオリ語の復元活動に取り組む方で、唇と顎にマオリの伝統的な模様のタトゥーをしていました。招待した団体の関係者が施設側に「多様な文化を認めることが必要ではないか」と訴えたものの、「入れ墨のある人の入浴はすべて断っている」と施設側に言われ、最後まで判断が変わることがありませんでした。

この事件は世界中に報道され、大きな話題となりました。2020年東京オリンピック・パラリンピック開催が決まったばかりだったため、日本政府も説明を余儀なくされました。記者会見で菅官房長官は「施設の判断で断ったのだと思うが、東京五輪開催にあたり、さまざまな国の方が我が国に来てくれることが予測される」「外国のさまざまな文化に対して敬意を払い理解を進めていくことが大事だ。外国人を迎えるため、しっかりと対応策を考える必要がある」と答えました。

トライバルタトゥーの種類と意味

西洋や日本ではファッションの一部としてタトゥーを入れる人もいます。しかし、ポリネシア地域などのタトゥーはファッションではなく、伝統や文化の側面が非常に大きいです。そうした部族が使用した模様のタトゥーはトライバルタトゥーと呼ばれています。

マオリのタトゥー

ニュージーランドの先住民族であるマオリ族といえば、戦士の顔面に刻み込むように深く掘られたタトゥーが有名です。伝統的なマオリトライバルタトゥーはモコと呼ばれ、顔面に施されます。男性の場合、血族や集団を表す模様を顔の中心部分に彫り、顔の側面や耳の近くには、個人を示すためのデザインを配しています。敵味方を瞬時に見分けるためのサインであったとも言われています。

女性の場合は、唇と顎に施します。顎のタトゥーは結婚していることを示すサインです。北海道の温泉施設に入浴を拒否されたエラナさんのタトゥーはこのタイプでした。

サモアのタトゥー

サモアは、ポリネシア地域の中で唯一、トライバルタトゥーの伝統を守り抜いてきた国です。ポリネシア地域におけるトライバルタトゥーの文化のルーツは、サモアとトンガにあります。古代サモアでは、タトゥーは宗教儀式と戦争に深く関わるものでした。タトゥーを施すことができるのは、特権的な一族のみで、社会的に重要な意味を持っていたと言えます。

伝統的なサモア戦士のトライバルタトゥーはペアと言われます。腰からひざ下までをカバーするように広い面に施され、線模様が帯状に折り重なる独特なパターンを持っています。ペアとはサモア語でコウモリを表します。

女性の場合は、手と脚に花のような幾何学的デザインを彫ります。現在は、動物の骨を加工して施術の針にしていますが、本来は儀式的重要性から人間の骨が望ましいと言われていました。

タヒチのタトゥー

タトゥーという言葉は、タヒチ語の「タタウ」からきていると言われています。タヒチでは、聖なる力を持った人は「タプ」と呼ばれ、人々と接触できないように隔離する慣習がありました。聖なる力を持った人とは、例えば部族の長や新生児、生理中の女性などです。ただ、実生活では完全に隔離することは難しいため、防護服として「タパ」という布を使用するようになりました。タパは、タプにとってはその聖なる力が流れ出るのを防ぐもので、タプでない者にとっては聖なる力から身を守るバリアーの役割がありました。タトゥーのものとなる「タタウ」もこのタパと同じ役割があったとされます。

タヒチのトライバルタトゥーのデザインは、螺旋や曲線が駆使され、より複雑な模様となっているのが特徴です。

マルケサス諸島のタトゥー

マルケサス諸島のトライバルタトゥーのデザインは、マケージャスタイルと呼ばれています。黒の面積が大きい、幾何学模様が特徴です。かつては、全身を覆うようにタトゥーを施していたと言われています。トライバルタトゥーの中でも、複雑な模様で、芸術性が高いと言われています。

フィリピンのタトゥー

昔のフィリピンでは、ルソン島のイゴロ、ティンギアン、ビサヤ諸島のピンタド、ミンダナオ島の部族たちにトライバルタトゥーの文化がありました。ほとんどの人が全身を覆うまでに施していたと言います。通過儀礼としての首狩りの風習と強い結び付きを持っていました。

そのデザインは、体に対して構図がシンメトリーであるのが特徴です。

2020年の東京オリンピック・パラリンピックはもちろん、その前年に開かれる2019年ラグビーワールドカップでも多くの外国人が日本を訪れます。サモアやトンガ、マオリのいるニュージーランドは、ラグビーの強豪国です。その応援に訪れる人が、日本の観光で困ることがないよう、タトゥーの文化の理解とともに、観光地の受け入れ体制の整備が進むことが望まれます。

タトゥー除去ができるクリニック厳選集
PAGE TOP